公益財団法人日本フィランソロピック財団は、2026年6月30日、第3回「日本みどりのゆび舞台芸術賞」の受賞劇団を発表した。本年度、大賞は該当なしとなり、「HOPE賞」に3劇団、「選考委員賞」に6劇団が選出された。
日本みどりのゆび舞台芸術賞について
演劇は人々に感動や生きる喜びをもたらし、社会を活性化させる素晴らしい芸術文化である一方、国内では支援する仕組みが不足している。コロナ禍による公演中止などの打撃も重なる中、劇団や公演活動を支援したいという熱い想いから設立されたのがこの賞だ。国内で優れた演劇活動を行う劇団を表彰することで、劇団の知名度向上と財政的な困難の克服を支援することを目的としている。
今年度は、劇団の活動が10年以上で、優れた功績があると認められた劇団に与えられる大賞(副賞250万円)は該当がなく、若手対象のHOPE賞(副賞120万円)に3劇団、活動期間を問わない選考委員賞(副賞15万円)に6劇団が選ばれた。
「日本みどりのゆび舞台芸術賞」の名称は、フランスの児童文学の名作「みどりのゆび」(モーリス・ドリュオン著)に由来している。この基金が「美しい演劇の花を咲かせ、我が国の演劇の未来がより一層輝くように」という願いを込めて名付けられたという。
主催する「公益財団法人日本フィランソロピック財団」は、社会貢献事業への資金提供を通じて、助成や顕彰事業を幅広く行っている団体だ。
日本フィランソロピック財団 https://np-foundation.or.jp/
若手対象にはOiBokkeShiなど
【HOPE賞】(副賞120万円)
活動期間が10年未満で、優れた功績があると認められた劇団が対象。
いいへんじ

2016年結成。「わたしとあなたの間にある応え」を大切にし、ともに考える機会としての演劇作品上演を目指す演劇団体。
「老いと演劇」OiBokkeShi

俳優・介護福祉士の菅原直樹を中心に設立。「老人介護の現場に演劇の知恵を、演劇の現場に老人介護の深みを」という理念のもと、認知症ケアに演劇的手法を取り入れた活動を展開する。
ゆうめい

2015年設立。個々人の原体験を掘り下げ、現代と劇を往復するアートディレクションや空間演出が特徴。2024年に岸田國士戯曲賞を受賞、25年に『養生』で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞するなど高い評価を得ている。
選考委員賞には印象、Project Nyxなど
活動期間を問わず、独自の功績があると認められた劇団が対象。
MONO

1989年結成。人の抱える屈託や人間関係をユーモラスに描く会話劇で評価され、文化庁芸術祭賞優秀賞など多数の受賞歴を持つ。
劇団印象-indian elephant-

2003年設立。評伝劇の四部作上演や海外での共同創作など、ナショナリズムと芸術家の関係を鋭く描く作品を手がける。
劇団温泉ドラゴン

2010年結成。「生と死」「愛」「国家」といった普遍的テーマに群像劇で向き合う劇団。韓国との国際共同創作にも積極的に取り組む。
幻灯劇場

2013年設立。多様な作家が集まり、ジャンルを越境しながら実験的・挑戦的な作品を国内外で発表し続けている。
Project Nyx

2006年設立。実験演劇ユニットとして、忘却されたイメージを現代に蘇らせる「エンターテインメント美女劇」を掲げる。近年ではニューヨークでも公演を行った。
métro

女優の月船さららが2008年旗揚げした演劇ユニット。全作品の作・演出は天願大介が担当しており、近代文学の名作舞台化や、社会派喜劇などを通じ、「文学の芸能化」を追求する。


