新国立劇場運営財団は、7月14日に演劇人有志と日本劇作家協会、日本演出家協会、国際演劇評論家協会日本センターから出された、同劇場の演劇部門の芸術監督選定プロセスの詳細開示を求める声明についての回答文を、「次期演劇芸術監督の選考とその考え方」として7月17日に返答した。


 詳細は、同劇場WEBサイトに掲載されている。
 このなかで、鵜山氏の芸術監督降板については「就任最初の今シーズンは演劇関係では2作品のご自身の演出作品があったが、その他に他の演劇団体での演出家としての仕事が多忙を極め、必要なコミュニケーションをとることができなかったのは事実である。そのために制作上の支障がしばしば生じ、これ以上再任をお願いするとさらに今から5年間お願いすることになり、制作現場をかかえる劇場としては難しいと判断した」と説明。
 一方、後任の宮田氏の選出については、「まず、5月に選考委員会を開催した。そこでは、次期監督について様々な意見があったが、結果として後任を選ぶならば宮田慶子氏にお願いするということで一致した。また、6月の理事会では、一部の理事から鵜山監督の継続を主張する意見があったが、大勢は選考委員会の決定を尊重し、宮田氏とすべきとのことであった。その結果、現監督に状況を説明するなどフォローした上で、最終的には理事長に一任する旨の決定がなされた。その後、まず、鵜山芸術監督に2回にわたり経緯について十分な説明をしたところ「決定には従う」とのことであった。劇場としては更に慎重に検討を加えた結果、原案通りが最良と考えた。それを前提に選考委員の理事、評議員、当日出席の理事全員の皆様に連絡をし、一部の方を除き、ご理解をいただき、理事長に一任するという最終決定についての再確認を得た。その上で、演劇部門の次期芸術監督については、選考委員会の審議の結果を原案通り決定し、6月30日に新聞等に発表したところである」としている。
 また、「今回の演劇人有志、日本劇作家協会会員の皆様からの声明は真摯に受け止め、私ども一同は、わが国唯一の現代舞台芸術のための国立劇場として、全力で精進してまいりたいと考えている。開場以来お力添えをいただいた方々に感謝するとともに、今後とも、ご理解ご支援をお願いしたい」と結んでいる。
 なお、今回の問題について情報開示を求める声明の呼びかけ人の一人で新国立劇場運営財団の理事の永井愛氏が、出席した理事会の様子について公表したことに関して新国立劇場運営財団は、「芸術監督選任に関する審議内容は、多くの個人名やその資質、評価などが話し合われており、自由闊達なご意見をいただくため非公開としている。このような会議の内容を公開することは問題であり、また、一時間にわたる会議の一部をとりあげることは恣意的な引用の恐れがあり不適切であると考え、遺憾に思う」と発表した。

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