新国立劇場『古楽とストラヴィンスキー 木佐貫邦子×平山素子』
劇場=初台:新国立劇場・中劇場
11/15(土)−16(日)
評価:★★★★(Very Good)11/15(土)昼所見
<キャラバン>
●振付=木佐貫邦子
●美術=島 次郎
●音楽構成・作曲・オペレート=スカンク(NIBROLL, MEXI)
●出演=木佐貫邦子、近藤良平、福留麻里、入手杏奈
<春の祭典>
●演出・舞台美術原案=平山素子
●振付・出演=平山素子、柳本雅寛
●音楽=ストラヴィンスキー
●ピアノ演奏=土田英介、篠田昌伸
●美術作品協力=渡辺晃一(作品”On An Earth”より)
●演出補佐・アンダースタディ=三輪亜希子


 新国立劇場のコンテンポラリーダンスシリーズ”ダンステアトロン”の最新作は、「音楽と出会う」というテーマのもと、木佐貫邦子と平山素子の2本立て。2つの中では、平山素子の「春の祭典」が出色の出来。テクニックもあるが、なにしろ構成力というか演出がすばらしい。
 「春の祭典」は今回ピアノデュオの生演奏で踊られたが、最初のピアノ2台にスポットが当たって、それから舞台が月のように円形に浮かび上がり、その周囲を平山がゆっくり歩く……。その出だしだけで、もう観客の視線をくぎづけにしてしまった。
 後半のピアノ演奏用の椅子を小道具にした振付なども面白く、つねに緊張感が途切れることなく、終幕の乙女の生贄へとなだれ込む。乙女が舞台奥に吸い込まれ、男も後を追い、そこに音楽を演奏しているピアノのせりが降りてきて、すべては何もなかったのように終わる演出は圧巻。女と男という人間の営みとそれを超越した神の存在を感じさせるような力強い舞台となった。
一方、1部の木佐貫邦子の「キャラバン」は心地よい中近東の伝統音楽の中で展開していく踊りで、全体的に柔らかいイメージで統一してしまった分、近藤良平が加わった意味が薄まったように思えた。
 1部と2部が対照的な構成だったが、充実度でいえば断然平山の「春の祭典」が圧倒していた。それは、「春の祭典」が終わってからの拍手の力強さとブラボーの喝采が、なによりも証明していた。

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