一部新聞などで報じられたところによると、東京・森下の劇場ベニサン・ピットが、建物の老朽化のために2009年1月を持って閉鎖されることとなった。同じ建物にある稽古場ベニサンスタジオも同時になくなる。

 ベニサンは、染色会社の紅三が、移転して空いた工場を改装し、83年に稽古場スペースのスタジオを、85年には小劇場ピットをオープンした。
 89年には映画監督アンジェイ・ワイダが演出、坂東玉三郎が主演の「ナスターシャ」を上演して話題を集めたほか、93年からはT.P.T.が演出家にデヴィッド・ルヴォーを招いて、「エリーダ〜海の夫人〜」「ヘッダー・ガブラー」などを上演し、近代劇の再評価をするなど、90年代以降の演劇シーンに大きな影響を与える作品が次々と生まれた。
 また、稽古場としても大きなスペースのスタジオが複数あることから、多くの劇団、制作団体が利用しており、また、永井愛の二兎社、蜷川幸雄のニナガワ・スタジオが事務所を置くなど、創作活動の拠点として果たした役割も大きい。このため劇場および稽古場の運営に対して、紅三は92年度のメセナ賞を受賞している。
 しかし、昭和30年代に建てられた建築物のため老朽化が激しく、紅三では09年1月25日千秋楽の公演をもって劇場および稽古場を閉鎖。建物は解体して更地にするという。


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