今年4月、鈴木忠志の後を受けて、静岡県舞台芸術センター(SPAC)の芸術総監督に就任した宮城聰。5月から6月にかけて開催した「Shizuoka春の芸術祭2007」では、「世界の多様性を伝える演劇祭」として、世界11か国の演出家・振付家による16作品をラインナップしたが、11月9日から始まる秋のシーズンではいよいよ初のSPAC演出作品『巨匠』を上演する。

 11月9日〜12月2日にかけて開催される秋のシーズンでは、「日本の現代戯曲、その言葉を辿る」として、日本の言葉の系譜をたどりながら全7演目を上演する。
 一番の注目は、SPACの芸術総監督となった宮城が初めてSPACを演出する『巨匠』。木下順二の最後の戯曲で、1967年に見たポーランドのテレビドラマをもとに、木下が91年に発表した作品だ。シェイクスピアの『マクベス』の上演を控えた楽屋を舞台に、人間の尊厳が描かれる。主演はSPACの中心俳優で、鈴木メソッドの第一人者である蔦森皓祐。
 もうひとつの話題作は、80年代の小劇場ブームの中でひときわ異彩を放っていた演出家・飴屋法水が十数年ぶりに演劇界に復帰し、静岡の女子高生たちを相手に平田オリザの戯曲『転校生』を上演。東京グランギニョル、M.M.Mといったラジカルな舞台で注目を集めた飴屋が、オーディションで選ばれた女子高生たちとどんな舞台を作るのか期待される。
 また、SPAC前芸術総監督・鈴木忠志演出の傑作として評価の高い『別冊 谷崎潤一郎』の再演や、劇作家・松田正隆が岡山で活動する演劇ユニット水蜜塔のメンバーとともに創る『王女A』、さらに宮城の構成・演出で伊藤比呂美の詩に曲を付け、SPACメンバーによる朗読、康本雅子のダンスで上演するパフォーマンス『コヨーテ・ソング』など、多彩なプログラムが揃った。

各公演の日程は以下の通り。11/9(金)ー11(日)『巨匠』(静岡芸術劇場)、11/17(土)・18(日)『別冊 谷崎潤一郎』(舞台芸術公園・楕円堂)、『王女A』(舞台芸術公園・BOXシアター)、、11/23(金・祝)糸あやつり人形劇団 みのむし『赤ずきんちゃん』(静岡芸術劇場)、11/25(日)『芝居噺 真景累ヶ淵?水門前の場』(舞台芸術公園・楕円堂)、12/1(土)・2(日)『転校生』(静岡芸術劇場)、『コヨーテ・ソング』(舞台芸術公園・楕円堂)。

公演の詳細は、静岡県舞台芸術センターのサイトで。

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