宮本亜門、KAATS芸術監督就任記者会見
2011年1月のオープン予定の「神奈川芸術劇場」の初代芸術監督に就任した演出家・宮本亜門が7日、横浜市内で就任記者会見を行った。
 
 
 
 


神奈川芸術劇場・外観イメージ神奈川芸術劇場は、神奈川県民ホールなどの運営を行う、神奈川県文化振興財団が運営する舞台芸術専用ホール。地上10階・地下1階建ての建物はNHK横浜放送局と同劇場が入り、約1,300席のメインホールのほか、小劇場や稽古場などにも使用可能なスタジオ大・中・小やアトリエなどの設備を持つ。宮本の任期は今年4月から、2014年の3月までの4年間の予定。
会見には、宮本と松沢成文神奈川県知事も出席して、同劇場の方針などを発表した。
それによると、同劇場の愛称を「KAAT(カート)」とし、「芸術の創造」「人材の育成」「賑わいの創出」をテーマに掲げるという。オープニングでは三島由紀夫の小説「金閣寺」を自らの演出で舞台化。その後、1年間を4期に分けて事業を展開。春には文学を中心に日本を見つめ直し、夏にはオープンシアターとして開放的な企画を、秋には同市で開催予定のアートイベント「横浜トリエンナーレ」と連携した国際的な企画、そして年末年始にはコンサートやカーニバルのような祝再生のある公演をラインナップするという。
同劇場については、横浜ゆかりの舞台関係者がレジデントパートナーとして参加することも関係者が明らかにしており、夏以降に予定されている年間のプログラム発表が待たれる。
宮本亜門のコメント
今は入学式のシーズンでもありますが、私も芸術監督としては全くの新入生です。これから4年間芸術監督を務めさせていただくわけですが、このご時世ですので、不安がないといえば嘘になります。私にとっては厳しい状況ではありますが、皆様と協力し合って今から申し上げるような劇場を創っていきたいと思います。
この劇場のテーマとして3つの「つくる」があります。「芸術の創造」「人材の育成」「賑わいの創出」です。また、もう1つ、私としては我々はなぜ生きるのか、どのように生きていくのか、考えていくということも重要なテーマであります。
劇場のプログラムとして1年間を4つのシーズンに分けていきたいと思います。第1のシーズンは「温故知新」をテーマに、”こんなに日本にはすばらしいものがある”ということを日本文学の舞台化を通して、皆さんに感じていただきたいと思います。第2のシーズンはオープンシアターの期間を設けるなど、アミューズメントパークのようにしていきたいと思います。また家族や子供たち、幅広い世代が楽しめるエンタテインメントを作りたいと思っています。第3のシーズンは神奈川県、横浜の特徴を活かし、アート、音楽、映像等、その年によって違った文化で、国際的芸術性を高めていきます。第4のシーズンはコンサートやカーニバルなど、劇場を広場のようにしていきたいと思います。
各劇場に個性があることは大事なことだと思いますが、神奈川芸術劇場ではあえて演目のジャンルは決めずにやっていくつもりです。ジャンルにこだわると自分を締め付けてしまうことにもなってしまいますし、少しでも多くの観客に語りかけていくことが大事だと思うのでジャンル分けにはこだわりません。
また、この「多ジャンル」というビジョンを実現するために、クリエイティブ・パートナーというものを設けます。ダンサーやものづくりのアーティストなど各界さまざまなクリエイターの方々と、月に1回くらいはお会いして、ジャンルを超えていくには何が必要か?どうしたらいいか?などと直接話し合いながら新たなクリエーションを創造していきます。
私はこの劇場を、演劇をやっていなくても人が集まるような、人々の交流のハブ(拠点)となる、コミュニケーションの広場にしたいと思っています。国内だけでなく、国を超えて人々と交流ができるたり、人と人が生の関係を結んでいける空間を目指したいと思います。
皆様に神奈川芸術劇場をまるで自分の劇場、自分の家のような親しみを持っていただけたらと思います。
開幕作品として、日本の小説の最高峰でもある三島由紀夫の「金閣寺」を上演します。日本の今の状況にもぴったりの作品です。文学、戯曲によって、日本を再認識したいと思います。新たな解釈を加えながら、作り上げたいと思います。

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