関西の劇作家を対象にした第16回OMS戯曲賞の選考会が25日、大阪・精華小劇場で開かれ、今年7月に事故のため亡くなった大竹野正典の遺作『山の声』が大賞に選ばれた。佳作は土橋淳志の『裏山の犬にでも喰(く)われろ!』。


 OMS戯曲賞は、関西の小劇場のメッカとして大阪市北区神山町に、1985年3月から2003年3月まで開場していた扇町ミュージアムスクエアが10周年記念事業の一環として1994年に創設した戯曲賞。関西二府四県に在住、または関西を主たる活躍の場とする劇作家を対象としており、次代を担う若手劇作家の発掘と、既に評価のある中堅劇作家への刺激も兼ねて、過去に受賞歴のある作家も含む点がユニークな賞だ。
 16回目となる今回は8作品が最終候補に選ばれていたが、大竹野正典の遺作『山の声』が大賞に選ばれた。大竹野は1960年大阪市生まれ。横浜放送映画専門学院(現「日本映画学校」)シナリオ科を卒業後、82年に大阪で自身で作・演出を担当する劇団犬の事ム所を設立。『夜が掴む』(89年)でテアトロインキャビン戯曲賞佳作、『改善版・笑箪笥』(90年)でスペースゼロ大賞、『密会』(93年)でスペースゼロ大賞特別賞を受賞するなど、関西を代表する劇団として活躍していたが、97年に劇団を解散。同年からプロデュースユニットくじら企画を設立し、2004年『夜、ナク、鳥』ではOMS戯曲賞佳作に選ばれていた。今年も昨年末に上演した『山の声』がOMS戯曲賞に応募されていたが、7月に大竹野は不慮の事故で亡くなり、同作品が遺作となった。
 一方、佳作に選ばれた土橋淳志は、1977年生まれ。近畿大学の卒業生らで結成した劇団A級MissingLinkで、作・演出を担当しており、日本演出者協会主催『若手演出家コンクール2002』では最優秀賞を受賞している。今回の受賞作『裏山の犬にでも喰(く)われろ!』は、昨年7月精華演劇祭参加作品として上演されたもの。

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