SPAC−静岡県舞台芸術センターはメーテルリンク作、クロード・レジ演出の『室内』を約1年ぶりに再演した。再演の稽古のため、来静した演出家クロード・レジにインタビューした。

 クロード・レジは、1923年生まれで今年92歳というベテラン演出家。52年から演出活動を開始し、これまで特定の劇場や劇団に属することなくフランスを拠点にヨーロッパ各地で創作を続けている。取り上げる戯曲はマルグリット・デュラス、ハロルド・ピンター、ヨン・フォッセなど現代作家のものが多い。微かな灯りで暗く静謐さをたたえた空間を作り上げる独自のスタイルは、観るものに緊張を与えつつ、その創造力を解放させるという不思議な体験を与える。

 日本へは2010年『彼方へ 海の讃歌(オード)』で初めて作品が紹介され、2013年にはSPACの俳優陣を使った『室内』をフランスと静岡での稽古を経て上演した。この作品は翌年にアヴィニョン演劇祭、パリのフェスティバル・ドートンヌへの参加をはじめ、ヨーロッパ各地をツアー。ル・モンド紙の「アヴィニョン演劇祭で記憶すべき10作品」の中に選ばれるなど好評を博した。
 今回、日本への凱旋公演では、初演と同じ静岡県舞台芸術公園・楕円堂で上演したほか、横浜のKAAT神奈川芸術劇場の大スタジオ、9月には韓国・光州にオープンしたアジア芸術劇場でも公演を行った。

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取材協力=SPAC−静岡県舞台芸術センター、通訳・浅井宏美


■2010年SPACで初来日公演を行った経緯
アヴィニョン演劇祭にSPAC芸術総監督の宮城聰がよく訪れており、そこで宮城がレジに呼びかけたことが来日公演のきっかけとなった。


■かつての日本への旅
2010年にSPACで初来日公演をしたクロード・レジ。しかし、それ以前にも日本に来たことがあるという。その目的は?


■かつてフランスで上演した『室内』とSPAC版の違い
30年前にもメーテルリンクの『室内』を演出した経験のあるレジ。今回は、批評家に評判がよかった前回よりもレベルの高い仕事ができたと語る。


■『室内』の成功について
以前、インタビューで言葉の通じないところで作品を作るのは大変だと語っていたレジ。だが最近はフランス語圏以外で上演することも増えてきたという。日本というまったく異なる文化のなかで演出した『室内』が再演するまでの成功を収めたのはなぜなのか?


■少数の観客、少ない上演回数にこだわる理由
レジがなるべく少ない観客を対象として作品を作りたいという理由は、緻密な舞台創りをするためのほかに、レジ独自の芸術観が影響している。


■SPAC版『室内』のヨーロッパ公演での言葉の問題について
フランス語圏以外での上演で問題となる言葉の問題。日本語で上演する『室内』のヨーロッパツアーではどのようにして対応したのか。


■レジの稽古スタイルとは
レジの稽古場では、俳優たちに上演台本以外にもさまざまな本など関連する資料を読ませるという。それは単に作品への理解を深めるためだけの作業ではないという。そこからはレジ独自の演劇観がうかがえる。


■創作にあたって取り上げるテキストの選び方
『彼方へ 海の讃歌』の詩人フェルナンド・ペソア、『室内』のメーテルリンクのような近代作品を取り上げる一方、サラ・ケイン『4.48サイコシス』、ヨン・フォッセ『誰か、来る』など、現代の注目作家の作品も取り上げるレジ。どのようにして取り上げる作品をピックアップするのだろうか。


■レジ作品とテクノロジーの関係
一見すると、演劇のプリミティブなものに迫ろうとしているレジ。だが、完璧な暗転や微妙なコントロールが可能なLEDのライトと最新の調光卓など、その舞台は最新のテクノロジーで支えられている。レジ作品におけるテクノロジーの存在とは?


■今後の予定、そしていつか取り上げたい作品
92歳という高齢にもかかわらず、今後実現したい作品についても語るレジ。SPACでまた作品を創るかどうかについては、「また呼ばれれば。自分から押しかけることはしません」と答えてくれた。


取材:ステージウェブ編集部

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