東京デスロックが年末年始の新作『その人を知らず』で東京公演を休止

 演出家・多田淳之介が主宰する劇団・東京デスロックは、こまばアゴラ劇場で12月26日(金)−2009年1月5日(月)三好十郎の『その人を知らず』を上演する。三好十郎の著作物が09年1月1日付けで著作権保護期間を終了することから、大晦日は23時から開演し、上演中に著作権が消滅する特別講演も行う。
 また、今回の公演をもって東京デスロックは東京公演を休止するという。


 東京公演を休止するきっかけとなったのは、劇団が今年から埼玉県富士見市民文化会館キラリ☆ふじみのレジデントカンパニーになったことだが、主宰の多田は、最終的に決断した理由を次のように語っている。
「東京デスロックの宿志は「演劇の可能性、魅力を伝えること」であり、それにも多くの観客は必要です。しかし、東京の観客の多くは、演劇を日常的に観る方が多く、既に演劇に魅力を感じているわけです。東京にはこれだけ多くの劇団がありますから、演劇の可能性、多様性に関してもいわずもがなの人々でしょう。もちろんそういう観客に、まだまだ演劇は面白い、と思ってもらいたいという欲求もありますが、我々にとっては、「演劇って大見得を切って朗々と台詞をうたい上げるものだけしかない」と思っている人々も大切です。演劇に魅力を感じている観客の多い東京では公演することの根源が揺らいでしまうので、東京公演は休止することにしました」
■東京デスロック

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