新国立劇場の宮田慶子芸術監督の演出第2弾として来年1月に上演される『わが町』の制作発表が行われた。
新国立劇場・演劇部門の新芸術監督になった宮田がシーズンテーマに掲げた「JAPAN MEETS・・・ ─現代劇の系譜をひもとく─」。シリーズ4作のうち、『ヘッダ・ガーブレル』に続いて宮田自身が演出するのがソーントン・ワイルダー作『わが町』。1938年に発表され、その年のピュリッツァー賞を受賞したこの作品は、なにもない素舞台に進行役が登場し、芝居の構成を解説しながら物語が進むというメタシアター的構造をもつ、現代演劇のはしりともいえるもの。それでいながら、死者の視線を通して、市井の人々の何気ないふつうの一日がかけがえのない日々であることを描きだした感動的な内容をもち、文学座をはじめとした数多くの俳優養成所で発表会の定番作品となっている。今回、「ジャパンミーツ」シリーズの特色である原語からの新訳を担当するのは、早稲田大学教授でワイルダーの研究をしている水谷八也。既存の翻訳との違いをどう打ち出すのか注目される。
また、今回の公演では人気ピアニスト稲本響が音楽を担当。全ステージで舞台に上がり、スタインウェイのグランドピアノで自ら生演奏するというのも話題を呼びそうだ。出演者ではベテラン俳優人に混じって、主役のエミリー役に公募オーディションで1500人の中から選ばれた佃井皆美があたるほか、町のひとびととして、さいたまゴールドシアターから8名が出演することも注目される。
記者会見には、宮田芸術監督のほか、翻訳の水谷、そして出演者の小堺一機、斉藤由貴、鷲尾真知子、相島一之、中村倫也、佃井皆美、音楽の稲本響が出席。今回の舞台にかける意気込みなどを語った。
聞き手:ステージウェブ編集部
『わが町』は、2011年1/13(金)ー 29(土)初台・新国立劇場中劇場 で上演。公演の公演情報はこちら
以下、各写真をクリックするとインタビューのビデオを再生します(FlashPlayer8が必要です)。
![]() | ■宮田慶子からの挨拶 宮田は出演者について「理想的な素晴らしい面めんが揃った。観客の皆さんにお馴染みの顔ぶれで、この作品のよさを具体的に届けることが出来る」と語る。 |
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■翻訳家・水谷八也の挨拶
物語としては非常にありふれた日常を描いている作品だが、その中にワイルダーが込めたものを、最近の科学の世界で流行の言葉でいえばダークマター的なものを探っていきたい、と語る。 |
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![]() | ■小堺一機の挨拶
ひとりで1ページにもわたる長いセリフを語る場面などもある舞台監督役。お客さんと舞台の町との架け橋的な役なので、いったん白紙になって共演者の方にいろんな絵を描いてもらいたい、と語る。 |
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![]() | ■斉藤由貴の挨拶
ギブズ夫人役の斉藤は、なにもない舞台で演じられる芝居を、お客さんが身を乗り出して考えるようになれば素敵だなと語る。 |
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![]() | ■鷲尾真知子の挨拶
かつてNLTの研修生としてこの『わが町』のエミリー役を演じたことが今も鮮明に記憶に残っているという鷲尾。今回は日常を大事にするお母さんとしてウェッブ夫人を演じたいと話す。 |
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![]() | ■相島一之の挨拶
ドクター・ギブス役を演じる相島は、東京サンシャインボーイズで演劇活動を始めた小劇場出身。48歳になって初めてこの作品に出会えて、古典の良さを学びたい、と挨拶。 |
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![]() | ■中村倫也の挨拶
主人公のひとり、ジョージ・ギブス役を演じる中村は、何もない舞台というのはプレッシャーだが、ストイックに楽しみながら日常というものを演じていきたいと抱負を語る。 |
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![]() | ■佃井皆美の挨拶
もうひとりの主人公、エミリー・ウェッブ役を1500人のオーディンションの中から射止めた佃井。自分の人生観が変わるくらい素敵な作品で、その主役を演じられることになって、精一杯頑張りたいと語る。 |
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![]() | ■稲本響の挨拶
今回は作品の時代設定に合わせて1900年代前半のニューヨーク・スタインウェイを中劇場に運び込んで、毎日舞台上で演奏をしたいという稲本。 |
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![]() | ■質疑応答1:宮田演出の特徴は?
最近、さまざまなプロダクションで上演されている『わが町』。宮田は、先行きの見えない時代だからこそ、よりどころを探して、この作品を取り上げているのでは?と語る。自身の演出としては、中劇場の大きな空間を使って作品の宇宙的なスケールの大きさを、翻案ではなくオリジナルの形で日本人にも伝わるようにしたいという。 |
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![]() | ■質疑応答2:演出家と翻訳家が考える作品の世界観は?
水谷は、作品の世界観について、"メメントモリ"、死を意識した形での翻訳を心がけたという。一方の宮田は、本城直季の撮影の緑鮮やかなポスター写真について、死者の視点から生きている我々の世界を見たもの、と語る。 |
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![]() | ■稲本響による演奏
ピアノにこだわる稲本だけに、今回の会見ではあえてトイピアノによる生演奏で、今回の舞台イメージの曲を披露。 |
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![]() | ■小堺、斎藤、稲本への囲みインタビュー
作品の魅力、みどころなどを語る3人。 |
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