新国立劇場演劇部門の鵜山仁芸術監督にとって任期最後のシーズンとなる2009/10シーズン。「人はなぜ戦うのか」という共通テーマのもとで、鵜山はオープニング作品に超大作『ヘンリー六世』3部作を自身の演出で取り上げることにした。
『ヘンリー六世』はシェイクスピアが唯一3部構成で書いた作品で、15世紀イングランドの百年戦争から薔薇戦争へといたる戦乱の中、生後わずか9か月で王位について波乱の生涯をおくったヘンリー六世と、その周囲で権力をめぐる人びとの愛憎入り乱れる人間ドラマが描かれた歴史劇。国と国、王と貴族、貴族と庶民、親と子、男と女、若者と老人......さまざまな衝突と和解が入り交じり、はるかな時間を越えて現代社会へ通じる普遍的な人間の姿を提示している。
今回の上演では、200を超える劇中の登場人物たちを、シェイクスピアの全作品数と同じ37名の俳優陣がひとり何役も演じ分けながら、第1部「百年戦争」、第2部「敗北と混乱」、第3部「薔薇戦争」の全3部を一挙に上演。週末には合計9時間におよぶ3部通し上演も行われる。
また、観客に作品の理解を深めてもらうために小田島雄志、松岡和子、河合祥一郎、安達まみらによる6回連続の関連セミナー「シェイクスピア大学校」を開催するほか、公演期間中のホワイエでは特別展示「シェイクスピアとヘンリー六世展」を開催。さらに劇場5階にある情報センターでは、新国立劇場でこれまでに上演されたシェイクスピア作品の上映会も予定している。
21日の制作発表には、演出の鵜山、翻訳の小田島のほか、出演者が勢揃いして、この作品にかける意気込みを語った。
取材:ステージウェブ編集部 柾木博行
『ヘンリー六世』は、10月27日(火)− 11月23日(月・祝)東京・初台の新国立劇場・中劇場で上演。
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