かねてから佐藤信が芸術監督に就任することで注目を集めていた杉並区の公共劇場、杉並区立杉並芸術会館、通称"座・高円寺"が5月の正式オープンを前に、プレ事業をスタートさせ、開館記者会見を行った。
杉並区立杉並芸術会館は、JR高円寺駅北口から徒歩6分という場所にあり、同じ場所に建っていた高円寺会館を建て直して建設された公立劇場。芸術監督の佐藤信は1997~2002年に世田谷パブリックシアターの芸術監督を務めていたが、退任して1年ほど経ってころに別役実から頼まれる形で座・高円寺に関わることになったという。もともと杉並区では公立小中学校の総合学習の時間に、日本劇作家協会にワークショップをやってもらっていた経緯があり、高円寺会館の建て替えに際して、劇作家協会に協力を要請してきたのが発端だった。このため、劇場の運営を担当する指定管理者には、杉並区在住の劇作家を中心として演劇関係の各分野の専門家が参加して設立されたNPO法人劇場創造ネットワークがあたり、館長には同NPOの理事長である劇作家の斎藤憐が就任した。
ハード面で見ると、演目によって自由に舞台・客席形状を変えることができる小劇場「座・高円寺1」(面積440m2 基本形状での客席238席)、固定席を備えた区民ホール「座・高円寺2」(面積330m2 客席256~298席)、高円寺ならではの施設として「東京高円寺阿波おどり」の練習を主目的に、ダンスやパフォーマンスの上演もできる「阿波おどりホール」という3つの個性的なホールを持つ。また、現代劇の戯曲を収集・保存するアーカイブ(書庫)、ドラマ・リーディングやレクチャー、ギャラリーなども楽しめるカフェ「アンリ・ファーブル」を併設している。
プログラム面での特色としては、
- 年間の1/3は劇作家協会の企画公演、1/3は提携公演、1/3は主催公演で運営
- 主催公演の中心は子どもたちのための「明日の劇場」を中心にした企画
- 既存の優れた戯曲の上演を目的とした「再演作品の重視」
- 細かく細分化されている日本の現代演劇を俯瞰するランナップ
さらにユニークな企画として、主催・提携公演で使える4枚綴りの回数券「なみちけ」を12,000円で発売。提携公演の正規料金との差額を企業などの寄付金でまかなうことでどの演目でも1回の観劇を3,000円という低料金で提供することにしている。
また、日本劇作家協会の連携による企画として、未来の演劇人を育成するための学校「劇場創造アカデミー」を開設。第1線で活躍する劇作家、演出家、俳優が指導にあたるこの学校は年間100コマの講義が予定され、入学金と受講料が35万円という設定にもかかわらず募集定員20名に対して3倍もの応募があったという。
3月に入りオープニングのプレ企画がスタートしたが、5月にはいよいよこけら落とし企画として、座・高円寺1では「旅する絵本カーニバル+びっくり大道芸」、座・高円寺2では地人会の代表作だった井上ひさし作、渡辺美佐子出演の『化粧 二幕』1か月公演で幕を開ける。
取材:ステージウェブ編集部
座・高円寺 2009年度公演情報はこちら =>>以下、各写真をクリックするとインタビューのビデオを再生します(FlashPlayer8が必要です)。









