今年開場10周年を迎えた世田谷パブリックシアターが、松本修の演出でカフカの長編小説『審判』『失踪者』を舞台化する。『失踪者』は、過去に『AMERIKA』として2回上演されているが、今回は池内紀の翻訳をベースにして再演する。一方の『審判』はこれまでカフカの小説の舞台化に取り組んできた松本が、その最後にとりあげる意欲作だ。3時間以上の大作2本を3週間の間に交互上演するというプロジェクトに取り組んでいる松本に話を聞いた。
演劇企画MODEを主宰する松本修は、2001年、当時アソシエイトディレクターをつとめていた世田谷パブリックシアターで長期のワークショップをするなかから小説をもとに作品を俳優たちといっしょに作り上げていくスタイルで、カフカの長編小説『アメリカ』を舞台化した。公演の1年以上前から何回かのワークショップを重ねつつ、作り上げられたその舞台は、読売演劇大賞優秀作品賞、毎日芸術賞・千田是也賞を受賞、2003年にはMODEの公演として再演もされている。その後、松本は同様のスタイルで2005年新国立劇場で『城』を上演。カフカの迷宮世界を舞台化したこの作品も、読売演劇大賞優秀作品賞・演出家賞を受賞し、高い評価を受けた。
これまでカフカの舞台化で高い評価を受けてきた松本だが、今年は、カフカ上演のひとつの区切りとなるようだ。3月にMODE公演としてカフカで一番知られている『変身』を上演。そしてこの秋、20人の役者たちによる『審判』『失踪者』交互上演というプロジェクトに取り組んでいる。昨年8月から、オーディションも含めて5回に及ぶワークショップを重ねながら、松本は役者たちに沢山の役を体験させ、それぞれの個性と共通の身体表現を探ってきた。
どちらも3時間以上の大作2本を3週間の間に交互上演、さらに『失踪者』は国内ツアーもするという意欲的な企画に取り組んでいる松本に話を聞いた。
聞き手:STAGEWEB編集部 柾木博行
世田谷パブリックシアター『審判』『失踪者』は、11/15(木)~12/8(土)シアタートラムで上演。
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