宮沢章夫が遊園地再生事業団の2年半ぶりの公演『ニュータウン入口』を9月21日から上演する。若松武史、杉浦千鶴子という大ベテランにチェルフィッチュの山縣太一といった若手が加わり、ギリシャ悲劇や遺跡ねつ造問題、さらにパレスチナ問題などをからめつつ、国や歴史を作るための闘いが描かれる。
今回の『ニュータウン入口』はある郊外のニュータウンが舞台となっている。そこに引っ越しを考えている若い夫婦、彼らに家を売り込む不動産屋、夫婦にこの街の魅力を伝えようとする日本ダンス普及会のひとびと、人目を避けながら兄を捜しているアンティゴネとイスメネという兄弟、森になにかを埋めている謎の男F、イスメネがバイトするレンタルビデオ店で働くバイト仲間の女たち......。さまざまな人びとが集まるこの物語は、ここ最近の宮沢が興味を抱いたモチーフが地層のように積み重なっている、いわば宮沢の活動・思考の軌跡を追い掛けるようなものになっている。
そこで展開されるモチーフや表現手法はこれまでの作品から変化しているが、テーマは一貫している。社会的政治的なマイノリティの闘争についてだ。昨年宮沢が世田谷パブリックシアターのプロデュースで上演した『鵺/NUE』は安保闘争と小劇場運動という60年代の2つの闘争を扱ったが、今回は国や歴史を作るための闘争を様々なレベルのエピソードからあぶり出している。
ある種効率の悪い、しかし愚直なまでにじっくりと吟味した形で作品を作っていく宮沢の姿勢もまた一つの闘争であり、今回の舞台はこの夏に亡くなった故・太田省吾の意思を受け継ごうとする宮沢の意思表明でもあるかのようだ。
今回の『ニュータウン入口』を中心に、宮沢の作品作りについて話を聞いた。
聞き手:STAGEWEB編集部 柾木博行
遊園地再生事業団『ニュータウン入口』は、9/21(金)〜30(日)シアタートラムで上演。
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